(展示会前日)
海外の展示会は華やかなイメージの反面、複数の現地業者が関わるため、注文したものがきちんとそろっているということは中々なく、スムーズに事が運びません。加えて、ブースの大きさ変更が急遽決まり、展示会三日前まで、現地エージェントが主催者とやり取りをしており、うまくその変更が反映されているか・・・という不安要素があったのです。
搬入当日、まずはオーダーした什器が揃っているか、ブース到着までドキドキです。
ラッキーなことに全ての什器は揃い、ブースもきちんと出来上がっていました。よかった。。。
そこから、
バイヤーが入りやすいブースの組み立て、見やすく、視覚的に興味をひくような商品配置
バイヤー対応をスムーズに行うための販促ツールのセット。。。翌日の展示会初日に備えます。
(展示会当日)
そして、いよいよ展示会当日を迎えました。
サッカーワールドカップが重なったこともあり、初日の入りは少なかったものの、ヨーロッパをはじめアジアやアメリカ、中東といった世界各地から訪れるバイヤーで賑わいを見せていました。
ヨーロッパの展示会、特にアパレル関連にみられる特徴ですが、日本人もかなり見受けられました。日本人は、ヨーロッパのデザイン性が高く、こだわりの強い商品を好む傾向にあるかと思います。感度の高いセレクトショップなどは、フランスやイタリアで新進気鋭のヨーロッパブランドを探していることが多いようです。
Who's Nextの名の通り、展示会全体として、非常にトレンディーでカラフルなブランドが多いなかで、弊社クライアントの長い歴史を持つ重厚な商品たちが少し異色でした。
しかし、さすが世界的にも評価が高いアパレルの展示会。地元の専門店だけでなく、有力小売店のバイヤー達はしっかりと展示会場に足を運んでおり、”良いもの”、”新しいもの”を探していました。バイヤーは真剣で、質問も鋭いものが多く、緊張感のみなぎる展示会です。
次々と、私たちのブースにもバイヤーが来てくれます。フランス語、英語で活発な商談が行われます。。。一瞬のスキもありません。ヨーロッパの「バイヤーの目」は良いものを見逃しません。さすがです。展示会スタート後の2時間後ようやくヨーロッパ市場「初の注文」が入りました。パリ郊外の感度の良さそうな専門店です。
その後、二日目、三日目と、順調に現地有力な小売店舗、さらには世界的に有名なフランスのデパート・バイヤーとも良い商談が出来、多くのバイヤーと出会い、 さらには実際の受注も、数多く頂くことができました。ヨーロッパバイヤーからの評価も非常に高く、継続したビジネスを構築できる取引先を多く作ることができ、初回として充分な結果を得ることができたのです。パリでの初出展は成功したと言えるでしょう。
(展示会結果の背景)
今回の結果の要因としては、「製品の市場性」、「日本製品への信頼の高さ」、「ヨーロッパ内での販売体制構築」の三点にまとめることができます。
「製品の市場性・日本製品への信頼の高さ 」という面では、 Part1で述べた①自社製品の強みを知る、「マーケットの可能性を探る」という点における戦略が、ぴたりと当てはまった結果であると考えます。
今回出展したブランドの持つ、Made in Japan の高い品質、長い歴史、職人による手作り、といった特性が、長い歴史とクラフトマンシップをリスペクトするヨーロッパの人々の琴線に触れ、受け入れられたのです。
価格や性能といった利益重視の合理性を重要視するアメリカとは異なり、歴史と独自の文化や民族としてのプライドを持ったヨーロッパの市場は、有名ブランドであるということよりも、品質の良さや、その背景にあるヒストリーやクラフトマンシップといった背景を含め、総合的に商品を評価する傾向にあります。
どのような技巧が使われて生産されるかという、直接商品には現れない部分に非常に興味を持ちます。これは決してアメリカのバイヤーには見られない傾向で、市場の相違を強く感じた点です。
(現地販売体制の強み)
販売体制については、信頼できる現地エージェント(ABing Plus社)とともに展示会に臨みました。事前の情報収集等の調査段階から、販売・流通・回収・サポートといった、Mira社がアメリカで作り上げた実ビジネスの体制を現地にしっかりと整えたのです。
言語も含めて、現地でビジネスを進めることができるということは、バイヤーに大きな安心感と、現実味を与え、受注のハードルをぐんと下げました。
これは、ヨーロッパだけでなく、全ての市場において共通して言えることです。販売、流通、回収を含む、「現地販売体制無き展示会出展」は、良い結果を生み出しません。
(やはり、展示会は、うそをつかない)
「展示会は嘘をつかない」 この言葉の意味を強くかみしめた展示会になりました。
第一歩として、市場の可能性を十分に感じることができました。次はここで作ることができたビジネスの芽を大きく、確実に育てていくこと、つまりフォローアップが重要な鍵となります。
ちなみに、余談ですが今回の展示会出展をきっかけとして、世界的に大変有名なフランスの革製品老舗高級ブランドH社から、「製品に興味があるのでぜひ見せてほしい」というオファーを受けました。このような刺激的な機会を得られたことも、グローバルマーケットに挑み、世界の舞台に歩み出たことがきっかけなのは間違いありません。
「世界には、計り知れないほどの、あらゆる刺激やチャンスが待っている」・・・と強く感じました。
展示会では、決して「偶然」は無く、「奇跡」も起きません。ただ、マーケティングをしっかり行い、海外市場開拓戦略に基づいた「合理的な準備」を行えさえすれば、日本企業にも販路拡大の大きなチャンスがあります。
展示会はビジネスのチャンスを作る場であると同時に、マーケティング・ブランディングの場です。
今後、展示会で得たチャンスや情報を元に、Mira Design社のテーマ「世界に売る」を加速させていきます。日本製品をアメリカから世界市場に向けて。
Lily 記
アメリカを中心に世界の小売店市場に、日本製品を販売するのがMira Designの使命です。世界市場に向けた「セールスパーソンの日々」をご紹介します。 Mira Design Corp. (New York, USA) mirausa.com
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Monday, August 4, 2014
Thursday, July 31, 2014
初、パリでの展示会 - Part1
7月4日から7月7日にかけてフランス、パリにて開催されるWho's Next と呼ばれるアパレルの展示会の中にある、世界的に名高いアクセサリーとファッション小物の国際展示会Première Classe(プルミエールクラス)に、弊社クライアントの一つのラインが初出展することが決まり、現地提携エージェントのサポートのため、花の都パリへ行ってまいりました。
Mira Design 社はアメリカでの展示会は各種数え切れないほど参加してきましたが、今回は弊社にとっても、初めてのヨーロッパでの展示会出展となります。出展ブランドがヨーロッパ市場にマッチしており、販路拡大の可能性を大いに感じることができたため、出展に踏み切りました。
いきなりですが、ここでまずは新規市場における展示会の重要性について簡単に、説明いたします。
展示会は新規参入メーカにとって、新たに多くのバイヤーに対して自社商品を効率的にアピールできる絶好の場です。日本をはじめ、どのマーケットでも展示会をバイヤーとの出会い、ブランディング、および市場可能性を探るマーケティングの場として活用することは同じことだと思います。
しかし、特に欧米の展示会は、バイヤーが気に入れば、すぐにその場でオーダーをつけ、クレジットカードやチェックで支払いをする、という大変早いスピードでビジネスをスタートすることができる、つまり販路拡大に直結しているという特徴があります。
展示会には、展示会ごとにそれぞれテーマや強みがあり、それにより来場する小売店バイヤーの種類や規模、出展者のテイストなどが異なってきます。そのため、自社商品に合った、もしくは狙っていきたいマーケットに近い展示会を選択することが重要です。
適切なマーケットで行われる、適切な展示会に、適切なブランドと商品で臨むことが、市場を攻略する近道であるともいえます。
ではどのように、その"適切さ"を判断するか。簡単に分けると以下の3点になります。
① 自社製品の強みを知る
当たり前のことかもしれませんが、ここをしっかりと認識し確立させることが全ての始まりです。
特に、消費者のライフスタイルおよびトレンド ・ その市場の小売店 ・ 競合他社という三つの視点でしっかりとマーケット調査し、「自社製品のマーケットにおける商品価値は何か」を把握します。
② マーケットの可能性を探る
「製品の強み」を認識したところで、次はマーケットにおいて、自社製品の可能性を探ることです。
弊社が扱う製品を例にとっていえば、毎日消費される日用品になるのか、ホリデーなどに向いているギフトになるのかなど、製品のマーケットにおける可能性を探っていきます。
③ 現地で情報を取得する
インターネットなどの情報だけではなく、実際に展示会場に赴き、会場の雰囲気、来場者、出展者、商品を見ることは非常に重要です。人が集まるブースに立ち寄り、出展者にヒアリングするのもいいでしょう。そういったブースは大抵、その展示会の常連なので、経験に基づいた情報を意外にも快く共有してくれるものです。
海外の展示会に行くのが難しい場合でも、来場経験や出展経験のある人に、事前によく話をきくと良いと思います。
展示会出展には、出展費、ブース装飾費、販促ツール作成費、人件費などなど大きな出費が発生します。時間と費用を浪費にしないためにも、この事前の調査による出展判断は非常に大切です。
弊社でも、アメリカ全土で行われている様々な展示会について、15年間の経験や各方面からの情報などを踏まえて、事前に入念に調査し、戦略を立てて出展を決定しています。
弊社代表 三浦は「展示会は嘘をつかない」と常々言っています。
それは上記三点の市場調査をしっかりと行い、バイヤーにブランドや商品をアピールする販促ツールをきちんとそろえ、展示会場で想定されうるあらゆるケースに備えた準備をしっかりと行えば、必ず結果はついてくる!というものです。
それでもやはり、果たしてヨーロッパの人々は日本の商品を受け入れてくれるのか、良い結果をもって帰ることができるのか、という不安はありました。
先にも述べましたが、今回はMira Design社にとって初めての海外展示会出展。加えて、弊社からの現地サポートは私一人。。。
しかし、展示会は日本企業にとって、海外市場進出においては最も重要なポイントとなります。弱音や不安などは言っていられません。
今まで蓄積したノウハウの全てを注ぎこみ、展示会の半年以上前から日本クライアント、現地エージェントとの幾度となくミーティングや情報共有を行い、その日に備えました。
商品サンプルの準備、
販売体制の準備、
流通回収体制の準備、
各種販促ツールの作成(英語版およびフランス語版の「ヨーロッパ国内商品リスト、Webカタログ、フライヤー、商品解説書、受注伝票、取引確認書」など) etc,,,
これ以上、できることはない!と言うところまで、徹底的に準備したのです。
そうして展示会前日を迎えました。
(Part 2 へつづく)
Lily 記
Tuesday, June 24, 2014
未知のロシア市場
少しさかのぼるが、今年の4月14日〜19日、
シカゴで毎年行われる全米最大規模のハウスウェアの展示会、IHHS展 で出会ったロシア大手日用品チェーン店との商談のため、ロシアの首都モスクワを訪問。
一般的な日本人のロシアへのイメージといえば、寒い、元社会主義、KGB、アメリカの敵、スナイパー。。。とにかくなんだか解らない怖い謎の国、といったところではないでしょうか。
アメリカからロシアへの入国にあたっては、観光目的であっても航空券の他に、ビザが必要になり、それも超高額。一人約$800。ビジネスの場合は、受け入れ先が発行する招待状は必要で、滞在時の情報を事前に政府のデータベースに登録しておく必要があります。
そういう普通の海外渡航とは全く違う雰囲気の中で不思議な国ロシアへの出張を断行しました。
結論から言えば、そのような心配は無駄、ロシアは私の予想より100倍も「素晴らしい場所」。地下鉄や街中の美しさ(清潔さと、芸術的な側面の両面で)、人々の優しさとお洒落さ、食べ物の美味しさ、今まで世界10カ国ほど旅をしてきましたが、経験上どれをとっても最高レベルと言い切れます!
(↑写真) 地下鉄のどの駅も大変素晴らしく、美術館の建物のよう。
ビジネスという視点からみても、大変魅力的な市場です。それは以下の3点において理由づけられます。
① 猛烈な消費力
Tvoy Dom(ロシアの財閥系DIY日用品点)、Asan(フランス系大手スーパー)の現地小売店二店舗を視察しました。
驚くべきは、その商品の多さと、人々のカゴにいれる商品の量です。だだっ広い店内には、天井までのびた棚が所狭しと並びます。その棚には一つの商品カテゴリに対して20以上の種類を揃えていますが、その大半がヨーロッパ、中国からの輸入品です。
そして「ロシアには在庫という考えがまだないのではないか」と疑うほどに、段ボールに入ったままの商品は売り場通路、棚の上下に詰め込まれ、店員達はひたすらそれらの商品の入れ替えを行っていました。卵や牛乳といった商品でさえ、同じような仕組みになっているため、賞味期限が切れて大量に廃棄、となる前に商品自体が流れる(売れる)のであると予想されます。そして客たちは大きなカートいっぱいに商品を入れ、すでに長く伸びたレジへ並ぶのです。この様子から、ロシアの購買力の高さを強く実感することができました。
(↑写真)街には高級外車が走り、店舗はものすごい商品で溢れている。世界中の商品があるが日本製品は本当に少ない。
JETROモスクワ支局でも、ロシア市場の現状を聞くことができたが、彼らの話によるとロシアの逞しい消費力の裏側には、
・1990年代のハイパーインフレの新しい記憶などによって、ロシア人のロシアンルーブルへの人々の信頼が低いため、貯蓄はほぼせず、消費しモノに変える傾向が強いJETROモスクワ支局でも、ロシア市場の現状を聞くことができたが、彼らの話によるとロシアの逞しい消費力の裏側には、
・所得税率が一定で、可処分所得が総収入の7割
・ソ連からロシアへの変革時に、保有するローンを安く払い終えているため、ロシア人のローン保有額は平均して少ない・・という背景があるといいます。 ソ連崩壊後の物不足は解消されたとはいえ、欧米のモノの過剰供給状にはまだまだほど遠く、小売店はモノを買ってもらうというより、モノを売ってあげているという意識のほうが強い。それは小売店側の傲慢さなどということではなく、販売効率や効果、ということは気にせず、とにかくたくさんのモノを揃え、モノを切らさないように消費者へ提供し続けるという意識に基づいた、店舗運営やディスプレイに現れているといえます。
② 閉ざされた市場
アメリカのメジャー商品はロシアの小売店店頭ではまず見られません。それは、国際政治情勢、関税の高さ、ビジネス慣習の違い、そして文化理解の未熟さが障壁となっていることは明らかです。
それだけロシアは日本企業、ひいては世界中の企業にとって、攻略困難な閉ざされた市場なのでしょう。しかし、逆に言えばそれは大きなチャンスと捉えられます。競合が少なく、かつ消費意欲の強い市場は、需要縮小が深刻な問題の日本にとって、重要視し注力すべき市場です。
言葉の壁(英語はほぼ通じない、ビジネスの場ではかろうじて、程度)なども含め、超えるべきハードルは大きいですが、現地の有力企業との提携や、輸入サポートサービスを提供する運送会社の活用といった策を最大限活用すれば可能性はあります。難関であるが決して不可能ではなく、難関だからこそチャンスとリターンは大きいのです。
参考:
ロシアビジネスの鍵を握るフィンランド
③ 消費者の資質
経済的にはまだ先進国とは言いがたいまでも、ロシアは文化(音楽、芸術、文学)、技術(IT、宇宙)、資源(石油、ガスなど)、知識レベルの高い人材(社会主義時代の無償教育制度による)を持つ極めて良質な基盤であることは疑いが無いでしょう。
良い商品をきちんと評価し、受け入れる器はあるのに、それを満たす商品がまだまだ少ないのが現状。彼らは、日本の品質と性能の優れた商品を待っているのです。
以上のように、食、芸術といった生活的視点からはもちろん、ビジネスの視点からいってもロシアは大変優れたマーケットです。
Mira社も、現在ロシアバイヤーとコミュニケーションを図りながら、ロシア市場攻略に向け、少しずつビジネスを前進させています。どんなビジネスであれ、突き詰めれば、対人と人との交流の中で前進していくもの。文化の全く異なる難関な市場であるからこそ、バイヤーと時間をかけてじっくりと信頼関係を構築し、流れを作ることが新規市場攻略につながります。今回の出張では、ロシアマーケットについて大いに学び、ネットワーク構築も出来ました。Mira社は、アメリカで完成したインターナショナル・バージョンの日本製品を「世界」へ販売します。
Lily 記 (June,2014)
(↑写真)町並みはパリのように歴史的で雰囲気があり、バイヤーも非常にフレンドリー。日本製品に大きな関心を持ってくれた。
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