Monday, June 30, 2014

店舗訪問レポート - オーランド, FL

フロリダに 「夢の売り場」を見た。


6月の前半に常夏のリゾート地、フロリダのオーランドへ1泊2日の出張に行ってきました。
オーランドといえば、言わずと知れたDisney Worldの街・・・。
今回の出張の目的は、そのDisney Worldのテーマパークの1つ “Epcot” 内にあるお店とのミーティングでした。



“Epcot”とは・・・。
Disney World内にある4大テーマパークのうちのひとつに位置します。
「人類社会の進歩」をテーマに、各分野の最先端技術や世界各国の文化・歴史・伝統を紹介する、いわば万国博覧会のようなパークです。
世界11カ国(Mexico, Norway, China, Germany, Italy, the United States, Japan, Morocco, France, United Kingdom, Canada)のパビリオンがあり、
食や伝統工芸品、衣装、音楽など多様な国々の文化を体験できるのが特徴で、平日にも関わらずパーク全体は多くのお客様で賑わいを見せていました。







そのうちのひとつ、Japan Pavilionは「伝統と革新の共存する調和の国・日本」というテーマのもと、
物販販売ショップとレストランそれぞれに具体的な時代テーマを設定し“日本への擬似旅行体験”を演出しています。
厳島神社の鳥居を背に、敷地の奥へと進むと京都御所、五重塔、桂離宮が目に飛び込んできます。まさに日本に来たかのような光景です。非常に多くのアメリカ人観光客で賑わっていました。


さて、今回の出張の目的は、そのパーク内にあるショップのバイヤー様とのミーティングでした。すでにBento BoxなどMira製品のいくつかの製品をお取り扱い頂いており、販売開始から非常に好調に売れています。今回は初めての店舗視察も含め、バイヤー様と日本製品の販売について貴重な意見交換を行うことができました。



店頭に到着したのは午後3:30頃。
平日にも関わらず、店内に入ると人をかき分けなくては前に進めないほどのお客様がいました。
私たちの想像をはるかに超えた集客に、胸が躍ります!

店内には、お菓子や日本酒などの食品から、着物や刀・盆栽などの伝統工芸品、それとコンテンポラリーな日用品・生活雑貨、キッチングッズ、アニメトイにいたるまで幅広いカテゴリーの商品が並んでいました。

日本の商品を求めて訪れたアメリカ人のお客さまが、目をキラキラと輝かせて商品を手にとっている光景は、アメリカ市場における日本製品の販売拡大の可能性を非常に強く感じさせる、希望に満ち溢れた世界でした。

そして販売スタッフ皆さんの接客レベルは非常に高く、そして「おもてなし」の良さがアメリカ人消費者にしっかり伝わっています。お客様に対して積極的に日本製品の紹介を行っている姿、常に売場に気を配る姿、笑顔でお客様を迎えるおもてなしの姿・・・この店舗のマネージメント戦略の高さは際立っています。

当社の商品が、非常に好調に売れている理由が分かりました・・・
充実した商品ラインナップの面白さと販売力のあるスタッフによって、売場全体が情熱と活気に満ち溢れ、お客様の購買意欲を高めています。いかに店頭・販売のマネジメントが重要であるかを、目の当たりにしました。スタッフの力で、アメリカの消費者は「買う気満々」になって行きます。「売る」と「買う」がきれいに絡み合う売り場、私たちは、ここに「夢の売り場」を見たのです。





バイヤーさんとのミーティングの中で、今お客様に求められているのは、“高品質で気の利いた、お洒落でユニークなアイテムであること” というお話を聞きました。他では買えない、真似できない、“Japanブランド”に注目が集まっているのです。

見た目だけでなく、物の本質が重要視される流れは確実にアメリカ市場にも広がっていて、
日本製品の強みを発揮する土台はもう出来上がっているように思います。

これから私たちに求められていることは、Japanブランドの強みを活かし、アメリカ人バイヤーに対していかにスタイリッシュに、魅力的にプレゼンテーションをしていくか、だと感じました。そこに、消費者のニーズをうまく掬い取り、的確な商品説明を「おもてなし」の心で表現していく・・・これがアメリカのコンペチターに対抗する「強い武器」になるということも。


私たちの目標は、多くの日本製品をアメリカ中、そして世界に売ることです。Mira社の扱う日本製品を世界中のあちらこちらで目に出来るよう、日々新しい形の営業活動をしていきます!この店で学んだことを大いに生かして。。。 

記 Takenaka & Aisen 担当 RINA (July 1)

















Thursday, June 26, 2014

マンハッタンでデモ販売

 「小売店に教えられる」

6月初旬、マンハッタンに4店舗を構える人気キッチン専門店にてデモ販売を行いました。

当店は、Mira社の日用品5ブランドのうち3ブランドについて、従前より定期的にオーダーを下さっています。
そうした中、弊社メイン担当者の日頃の営業努力が実を結び、4ブランド目のUchiCookの取引を獲得することができました!Mira社はこのように、各取引先店舗にできるだけ多くのラインを入れることによって効率の高い営業を目指しています。各ラインにも大きなメリットです。



 


今回取扱いが決まったUchiCook商品は、スチームとグリルが同時にできるという新型クックウェアSteam Grill。日本では月5000台売れている超人気商品です。見た目はスタイリッシュ、性能はピカイチ。

ですがアメリカのキッチンウェア市場はすでに飽和状態で 、ただ店頭に並べておくだけでは多々ある他社製品との違いをなかなかわかってもらえないのが現実です。

それを克服するためにはまず、お店の販売スタッフに商品の使い方とメリット、セールスポイントの理解を促し、一般のお客さまに効果的にお勧めしてもらえるようにしなくてはなりません。

この考えのもと、さっそく先方に店頭デモをしたいと申し出ました。当店は普段から調理器具のデモ販売を行っていることもあり、私たちの申し出は大歓迎されました。


さて、デモの当日。


11:30 デモ担当の2名がアッパーウェスト店に到着。
 
デモの件は従業員全員に周知されていたらしく、店内に入るとすぐにデモスペースに案内されました。

1階、地下1,2階のうち、今回デモを行ったのは1階の突当り。地下フロアから上がってくるエスカレーターの正面です。この日、1階でデモを行っていたのは私たちのみでした。地下1階では自宅用ビールサーバーやジュースミキサーのデモを行っていました。



 
11:45 Mira社他のチームが材料(チキンや野菜)をWhole Foodsで購入後合流。

今回調理するのは勿論チキンブレスト。過去数回の展示会でも毎度大好評!
デモ担当者が準備中、2人はバイヤーに挨拶。親睦を深めます。






12:00   デモスタート。


計3時間のデモの間、1階の状況は概して落ち着いていました。多い時で、10名。少ない時には3名程度。客層は40代~70代ほどの豊かそうな男女がメインであり、夫婦での来店も目立ちました。これは平日昼間という時間帯と、高級住宅地であるアップタウンに3店舗を構える当店のターゲット層が影響しています。一般のお客さまがいない時には、バイヤーや販売スタッフが周囲に集まり、使い方や特長を教えることができました。お客さまからの質問をシェアしてくれたり自発的に質問してくれたりと、積極的な姿勢を見せてくれました。これは大きな成果です!


チキンを試食したお客さまからの反応は、"Juicy", "Tender"という声が多く聞かれました。また、立ち止まってゆっくり説明を聞いてくれる方も多く、中には作り方を最初から最後まで見ていくお客さまもいらっしゃいました。

この点に、当キッチン専門店のターゲット層らしさ、すなわち時間的経済的に余裕のある客層の特徴が伺えます。 それと同時に、決して低価格ではないが品質と性能の高さにこだわりを持つMira社ブランドが、この店とこの顧客層には受け入れられていくであろう可能性 を大いに感じることができました。


 

3:00 デモ終了


その場での売上はなかったものの、多くのお客さまにフライヤーを手渡しすることが出来た点、販売スタッフにセールスポイントを教えることが出来た点、バイヤーとのコミュニケーションが深まった点で非常に有意義でした。また、以上の点を実際にデモを見せながら行ったことで、一層効果的に、より大きなインパクトを与えられたという感触があります。メインコンタクトバイヤーからも下記の感謝の言葉が同日送られてきました。



「ハーイ、Miraチームの皆さん。本日はSteam+Grillのデモをありがとうございます。今日一日の皆さんの素晴らしい努力に、私と会社は大変感謝しています。秋にもぜひやってください!」




それから一週間後、なんとバイヤーから追加オーダーをいただくことができました。
彼によれば、使い方を理解した販売スタッフが 積極的にお客さまにお勧めした結果、デモのあとすぐに数台の売り上げにつながったのだそうです!早くもデモの効果が...!感動!
つまり、小売店の販売員たちが「売り方のポイント」をデモの中で学んでくれていたのです。

アメリカでの販路を拡大し売上を促進することで、日本企業のみなさまのお力になることはわたしたちにとって第一の使命。

しかし結果ばかりを先にのぞんではいけませんね。

今回、担当者による日頃の営業フォロー→デモ販売→リオーダーの一連の出来事を通して学んだことは、取引先にとってのベネフィットを真剣に考えることの大切さです。
売れる商品は彼らだって大歓迎。仕入れた商品が売れれば彼らも嬉しい。それは必ず次回オーダーに反映される。

 私たちは卸売業ですが、小売店に売れればそれでよいのではなく、どうしたら彼らがその商品をお客さまに上手に売ることができるのかを一緒に考えてあげること。これが結果的に、アメリカの取引先、日本企業、Mira社の三方の幸せにつながるのですね。

とてもいい勉強になりました!
チキン調理の腕だけでなく、営業担当者としての腕も磨くチャンスをくださった関係者のみなさま、ありがとうございました ! (↓写真:バイヤーが撮ってくれた写真)

Miraのセールスパーソンは、こうしてアメリカの小売店に色々教えられながら前進していきます!    記:UchiCook 担当 Aya  (June, 2014)






Tuesday, June 24, 2014

未知のロシア市場


少しさかのぼるが、今年の4月14日〜19日、
シカゴで毎年行われる全米最大規模のハウスウェアの展示会、IHHS展 で出会ったロシア大手日用品チェーン店との商談のため、ロシアの首都モスクワを訪問。

一般的な日本人のロシアへのイメージといえば、寒い、元社会主義、KGB、アメリカの敵、スナイパー。。。とにかくなんだか解らない怖い謎の国、といったところではないでしょうか。
アメリカからロシアへの入国にあたっては、観光目的であっても航空券の他に、ビザが必要になり、それも超高額。一人約$800。ビジネスの場合は、受け入れ先が発行する招待状は必要で、滞在時の情報を事前に政府のデータベースに登録しておく必要があります。
そういう普通の海外渡航とは全く違う雰囲気の中で不思議な国ロシアへの出張を断行しました。



結論から言えば、そのような心配は無駄、ロシアは私の予想より100倍も「素晴らしい場所」。地下鉄や街中の美しさ(清潔さと、芸術的な側面の両面で)、人々の優しさとお洒落さ、食べ物の美味しさ、今まで世界10カ国ほど旅をしてきましたが、経験上どれをとっても最高レベルと言い切れます!

(↑写真) 地下鉄のどの駅も大変素晴らしく、美術館の建物のよう。


ビジネスという視点からみても、大変魅力的な市場です。それは以下の3点において理由づけられます。

① 猛烈な消費力

Tvoy Dom(ロシアの財閥系DIY日用品点)、Asanフランス系大手スーパー)の現地小売店二店舗を視察しました。
驚くべきは、その商品の多さと、人々のカゴにいれる商品の量です。だだっ広い店内には、天井までのびた棚が所狭しと並びます。その棚には一つの商品カテゴリに対して20以上の種類を揃えていますが、その大半がヨーロッパ、中国からの輸入品です。
そして「ロシアには在庫という考えがまだないのではないか」と疑うほどに、段ボールに入ったままの商品は売り場通路、棚の上下に詰め込まれ、店員達はひたすらそれらの商品の入れ替えを行っていました。卵や牛乳といった商品でさえ、同じような仕組みになっているため、賞味期限が切れて大量に廃棄、となる前に商品自体が流れる(売れる)のであると予想されます。そして客たちは大きなカートいっぱいに商品を入れ、すでに長く伸びたレジへ並ぶのです。この様子から、ロシアの購買力の高さを強く実感することができました。








(↑写真)街には高級外車が走り、店舗はものすごい商品で溢れている。世界中の商品があるが日本製品は本当に少ない。


JETROモスクワ支局でも、ロシア市場の現状を聞くことができたが、彼らの話によるとロシアの逞しい消費力の裏側には、


・所得税率が一定で、可処分所得が総収入の7割
・ソ連からロシアへの変革時に、保有するローンを安く払い終えているため、ロシア人のローン保有額は平均して少ない
・1990年代のハイパーインフレの新しい記憶などによって、ロシア人のロシアンルーブルへの人々の信頼が低いため、貯蓄はほぼせず、消費しモノに変える傾向が強い


・・という背景があるといいます。 ソ連崩壊後の物不足は解消されたとはいえ、欧米のモノの過剰供給状にはまだまだほど遠く、小売店はモノを買ってもらうというより、モノを売ってあげているという意識のほうが強い。それは小売店側の傲慢さなどということではなく、販売効率や効果、ということは気にせず、とにかくたくさんのモノを揃え、モノを切らさないように消費者へ提供し続けるという意識に基づいた、店舗運営やディスプレイに現れているといえます。

② 閉ざされた市場


アメリカのメジャー商品はロシアの小売店店頭ではまず見られません。それは、国際政治情勢、関税の高さ、ビジネス慣習の違い、そして文化理解の未熟さが障壁となっていることは明らかです。
それだけロシアは日本企業、ひいては世界中の企業にとって、攻略困難な閉ざされた市場なのでしょう。しかし、逆に言えばそれは大きなチャンスと捉えられます。競合が少なく、かつ消費意欲の強い市場は、需要縮小が深刻な問題の日本にとって、重要視し注力すべき市場です。
言葉の壁(英語はほぼ通じない、ビジネスの場ではかろうじて、程度)なども含め、超えるべきハードルは大きいですが、現地の有力企業との提携や、輸入サポートサービスを提供する運送会社の活用といった策を最大限活用すれば可能性はあります。難関であるが決して不可能ではなく、難関だからこそチャンスとリターンは大きいのです。
参考
ロシアビジネスの鍵を握るフィンランド


③ 消費者の資質

経済的にはまだ先進国とは言いがたいまでも、ロシアは文化(音楽、芸術、文学)、技術(IT、宇宙)、資源(石油、ガスなど)、知識レベルの高い人材(社会主義時代の無償教育制度による)を持つ極めて良質な基盤であることは疑いが無いでしょう。
良い商品をきちんと評価し、受け入れる器はあるのに、それを満たす商品がまだまだ少ないのが現状。彼らは、日本の品質と性能の優れた商品を待っているのです。


以上のように、食、芸術といった生活的視点からはもちろん、ビジネスの視点からいってもロシアは大変優れたマーケットです。

Mira社も、現在ロシアバイヤーとコミュニケーションを図りながら、ロシア市場攻略に向け、少しずつビジネスを前進させています。どんなビジネスであれ、突き詰めれば、対人と人との交流の中で前進していくもの。文化の全く異なる難関な市場であるからこそ、バイヤーと時間をかけてじっくりと信頼関係を構築し、流れを作ることが新規市場攻略につながります。
今回の出張では、ロシアマーケットについて大いに学び、ネットワーク構築も出来ました。Mira社は、アメリカで完成したインターナショナル・バージョンの日本製品を「世界」へ販売します。


Lily 記 (June,2014)




(↑写真)町並みはパリのように歴史的で雰囲気があり、バイヤーも非常にフレンドリー。日本製品に大きな関心を持ってくれた。