Tuesday, August 12, 2014

店舗訪問レポート - トロント, CANADA



Mira Design社営業フォローの為の「店舗訪問シリーズ」です。
日々の地道な営業活動の様子をご紹介します。


Mira Design社は現在カナダの小売店との「カナダ国内取引」を20144月よりスタートしています。

これまでは、カナダからの注文は、アメリカからの発送しかできなかったため、カナダの小売店は、アメリカの卸価格に加えて、「アメリカからカナダまでの送料
+カナダの関税」を負担してもらっていました。当然、価格はかなり高いものになるため、多くの注文はキャンセルされてしまったのです。納品になっても、カナダの消費者は高い価格で購入せざるを得ませんでした。そういう状況の中であっても、
Mira Design社が取り扱う製品を仕入れてくれた小売店は少なくありませんでした。「何とか、カナダの小売店がスムースに日本製品を仕入れられるようにしたい」と考えるのは当然の流れだったのです。
そこで、Mira Design社は2014年、カナダのビジネス・ライセンスを取得し、GST登録も行い、法的に問題ない体制を整え、カナダで在庫を持ち、カナダ国内取引が可能になる体制を構築したのです。もちろん、カナダの小売店の皆様には大歓迎され、いよいよ4月から本格的にスタートしたのです。今回のトロントの店舗訪問は、こうした背景の中で行われました。


(1)Solutions 社本社訪問(14店舗ホームオーガナイザー専門店)

4月の納品からすでに数回のリオーダーがあり、さらなる取り扱い製品、ラインの拡充を目指し、新規商材の提案を行いました。過去二回の商談はバイヤーひとりだけでしたが、今回は店頭でのビジュアルマネージメントとアドバタイズメントを担当しているスタッフも同席してくれ、取り組みの積極さが感じられました。

■ ホーム製品
事前にサンプルを送付しておき、商談に臨みました。すでに梱包はとかれ、本部会議室に全商品きれいに並べられていました。事前に10分ほど時間をもらい、カテゴリー別に並べなおし、ラインシートの順番に商品を一つずつ説明するという方式で進めました。
まだホーム製品は取り扱いしてもらっていないのですが、「今後ぜひ取り扱いを開始したい」という話が決まりました。ただ、「慎重に売れ行きの様子をみたいので少量から始めたい」とのこと。もちろん、全く問題ありません!

・トラッシュカン(ゴミ箱)
カナダでは「ごみの回収回数」がアメリカや日本よりも少ないため、大き目のトラッシュカンに需要があるそうです。バスルーム内での小さなゴミ箱の需要も説明したが、小さいものは全て却下されました。ゴミ箱では、現在はSimple humanがよく売れており、価格が高くてもブランド力があり、機能性とデザイン性の高い商品は確実に消費者に受け入れられることを実感。結果、彼らがPick Upした商品はサイズの大きなものばかりで、色はニュートラルで美しい白が選ばれました。

 
キッチン製品

現在 あるいていどの
SKUが入っていますが、リオーダーの頻繁さやブランドの認知度の向上が感じられるので、さらなSKU拡大が期待できそうです。そこで、他のお勧めデザインを紹介しました。特に他の専門店で人気の商品や、カラー製品を中心に提案しました。新たな注文が待ちきれません。


 
店舗訪問
バイヤーは、ミーティング後に、私たちを店舗へ案内し、現状説明を行ってくれました。Back To School 特集が組まれた店内は、ディスプレイと製品の全体から、清潔感とトレンド感溢れる店内で、バイヤーのセンスの高さ、店作りのうまさを感じることができました。それが、同社の急成長の原動力の一つになっているのでしょう。



カナダ市場へ本格的に参入段階の我々にとって、同社の存在は重要ですが、現地、しかも同社住所の近い場所に倉庫を持つMira Design社の存在も、彼らにとって大変貴重なようで、Slutions社の現状や、アメリカやカナダの各ベンダーとの取引状況、課題など様々な情報を積極的に話してくれました。

トロントエリアを中心に現在14店舗を展開するSolutionsですが、現在地価の高い人気エリアでのさらなる店舗拡大に向け、いくつかの新店舗を計画しているそうです。Solutions社は他の日本企業とも「コンテナビジネス」を行っていますが、バイヤーは、「価格優位性は保つことができているが、やはり売れ筋商品は、先に店頭からなくなり、販売チャンスを失うことが多いのでこまめに補充したいと思っている。
Mira Design社が多くの日本製品をカナダで在庫をもってやってくれれば大変助かるのだが・・・」といった実情も明かしてくれました。コ ンテナビジネスは小売店にとってもメリットがあるが、継続ビジネスを効果的かつ効率的につなげることが難しいことも事実です。倉庫を持つ強みをうまく生か して、きめ細かな営業フォロー、継続的商品供給は、専門店から、大きなチェーン店までみな必要なのです。ここに、差別化のために海外製品を扱いたいという 小売ビジネスの重要なポイントがあると思います。



(2)Fenigo 店舗訪問

フードコンテナをNYNow展で受注、6月末に納品したトロントに2店を展開するLunch Box専門のお店フェニーゴを訪問。路面店が多く立ち並ぶ大通りに面しており、一本わき道に入ると、完全な住宅街になる理想的な立地でした。事前のオーナーバイヤーとの面会は予定が合わず叶わなかったのですが、ストアマネージャーに話を聞くことができました。

全体的に内装のデザインはシンプルで、商品は子供向けLunch Box 関連のカラフルな商品が並ぶ。価格帯は中程度であり、安物ではなく、品質やデザイン性の高い商品がそろえられています。この日もBack To Schoolに備えた母親がいろいろな商品を買えそろえていました。
 Mira社の扱うBento Boxのサンプル、写真をみせたところ、カラフルでロック機能がついていることに高評価。日本製品は信頼も厚く、人気があるそうです。9月にはNYにくるとのことなので、店の雰囲気や客層に合った人気のある商品の提案を行いたいという話をしました。非常に好感が持てるブティック風ライフスタイル店でした。こういうお店とも大切に付き合って行きたいと思います。



3Blue Banana 訪問
アトランタ展にて受注したギフトショップ。トロントのチャイナタウンに位置しています。チャイナタウンといっても、中華系の店だけでなく、若者の作るエネルギッシュでクリエイティブな店も数多く進出しており、進化を遂げているユニークな街並みでした。

そのチャイナタウンのど真ん中に、広い売り場面積(10000SQF?)を有し、位置しているこの店舗は、さながら日本のヴィレッジバンガードのような雰囲気でした。不思議で楽しい商品が、広い店内にところ狭しと並んでいるのです。バイヤーは普通ぽい方でしたから、その印象からは想像も出来ない「個性的な店」でした。平日の昼間でありながら、多くの観光客や学生でにぎわっていたのです。力のある小売店なのです。

今回は、バイヤーとはアポが取れず、店舗視察だけになったものの、「やはり、店舗は見なければ分からないものだ!」と痛感しました。展示会でのバイヤーの話では、小型のBentoBoxをお茶入れの入れ物として販売するとのことでしたが、デザイン性の高いそのほかの形やカラーが入る可能性も大いに期待できるようです。早期に在庫体制を整え、集客力と影響力のあるこの店と、継続的なビジネス関係を構築したいと考えました。


4Andrews 訪問





アメリカでも権威あるアパレルの展示会Coterie にて、商品はもちろんのこと、カナダ在庫を決め手として、大きな額の注文を受けた、カナダで二店舗を展開するハイエンドデパート
Andrews を訪問しました。店の位置する、ヨークビルはトロントの中でも非常に高級感と、トレンド感の高いエリアであり、日本で言うところの代官山のような場所。比較的富の分配が平等なカナダの中でも、富裕層が多く集まるハイエンドな地です。

ハイエンドな雰囲気漂う店内に入るとすぐに、店の中でも最も目立つ場所に、弊社の商品が置かれていました。ストアマネージャーに、現状と今後の話をさせて頂くことができました。
トレンド感の抑えた重厚なデザインが特徴の商品なので、今の季節はあまり注文はないが、ホリデーに向け、丁寧な接客で得意客に薦めてくださっているとのことでした。
ギフトにぴったりの新たな商品も提案させていただき、前向きに検討していただけることになりました。
高級商品であり、シーズンに左右されるアパレル商品なので、在庫運用の強みを生かし、タイムリーできめ細やかなさサポートを行っていきます。




 

5Neat 訪問

5年ほど前から当社とビジネスを行っているライフスタイル専門店。在庫をカナダ国内に持っていないため、店舗側でトラックを派遣し、関税を払って販売をしていたのです。今回、在庫体制が整い、提案したい商品があるとオーナーバイヤー連絡をとったところ、「喜んで会いたい!」との返事をもらうことができ、商談を実施したわけです。今回のカナダ出張の重要な商談のひとつです。


店舗
レストラン、服飾、日用品などといったあらゆる小売店が立ち並ぶトロントのメインストリートに面しています。大変良い立地と言えます。店舗は、それほど広くはないが、美しく、スタイリッシュにプレゼンテーションされていました。商品知識豊富なスタッフの女性が3人おり、客の要望に丁寧に応対していました。商品は見ている間にも次々に売れています。トロントの中での人気の高さがすぐに分かりました。

商品
デザイン性と機能性を兼ね備えた商品が多く並んでいます。カラフルな商品が多いが、全体に清潔感と統一感を感じます。オーガナイズを軸にした商品構成で、ゴミ箱や調理器具など、感度の高い生活用品も取り揃えています。価格帯は比較的高めの設定。

カナダの在庫
バイヤーは、Mira Design社のカナダ在庫開始を大変喜んでくれており、今後も是非協力して、良い関係を築いていきたいと言ってもらえました。さらには今年の11月に既存店の1.5倍の広さを持つ新店舗を開店するということで、Mira社にとっても良い取引先になるでしょう。この場で注文をつける気十分の、大変良い雰囲気の中で商談を進めることができました。「在庫を持ってくれるデザインは、全部仕入れるよ!」 (まぶたが熱くなりました。。。)

長年の付き合いということもありますが、非常に友好的な雰囲気の中で商談が行われたのです。商談の最後に、日本のある会社の商品は大変良く売れるが、今はコンテナ商売なのであまり売れない商品以外の「売れ筋商品」は今はほとんど在庫がない状態。しかも発注しても納品までは半年程度かかるとバイヤーは嘆いていました。これが日本企業の現地小売店での実態なのです。本当にもったいないことです。頻繁にコンテナ単位で買えない彼らのような小規模店舗にとっては、カナダ国内の在庫から仕入れが出来るということは大変好ましいことなのだと実感しました。

Neat
は店のコンセプト、商品構成、接客、価格といった総合的な面からみても
Mira Design社クライアント商品にとって理想的な店です。Mira Design社は、品質・機能・デザインの三つを兼ね備えた良品を提供してくれるというバイヤーの厚い信頼もあるため、今後も継続的に新しい商品を提案し、スムーズなビジネス・ストリームを作っていきたいと強く確信しました。それこそが日本企業の利益になることも。


トロント出張総括

カナダ最大の都市であるトロント。ユネスコが認めている世界で一番人種が多い都市であり、カナダ経済の商都。金融や経済、電気通信、運輸、メディア、芸術、映画、出版、ソフトウェア、医療研究、教育、観光、スポーツなどの産業基盤が発達している経済都市=「優良なマーケット」と言われています。

NY
からも飛行機で50分程度と近く、アメリカの商業資本と、若者の発信する独自のトレンド性を感じる街です。Mira社取り扱い製品を受け入れる土壌もしっかりと整っているのです。
今回の出張で改めて強く感じたことは、カナダ国内の小売店は、アメリカをはじめとしたどの国のバイヤーと同様に、「国内取引ができるベンダー」に飢えているということです。
特に、隣にアメリカという大きなマーケットがある分、カナダに目を向けるメーカーは少ないから余計そうなのでしょう。バイヤーにさらに魅力的な提案ができるよう、取り扱い商材、ブランドを拡充し、この北米市場の”穴場”を今後丁寧に開拓し、売り上げの第二の柱にしていきたいと思います。


Lily






店舗訪問レポート - ポートランド, OR



Mira Design社営業フォローの為の「店舗訪問シリーズ」です。
日々の地道な営業活動の様子をご紹介します。


Mira社複数ラインを以前から扱っており、現在も定期的に注文を頂いているStorablesへの店舗訪問を行いました。今回の訪問の目的は以下の三点です。

1 既存の取引先のため、他のラインを紹介しやすく、また受け入れてもらいやすい環境である。
2 Mira社取り扱い商品と、お店のコンセプト、カテゴリが近しいものが多く、取引が増える可能性が高い為。
3 競争率の激しい大型チェーン店のみではなく、地方型中型規模店舗(Storables 4店舗)にて商品の取り扱いを増加・拡大させる為。

合計5ブランドの新商品・既存商品の紹介を行うとともに、西海岸オレゴン州の新規小売店開拓、市場調査、今後の可能性を探る為の営業活動も同時に実施しました。


■ オレゴン・ポートランド (Oregon, Portland)について

オレゴン州はアメリカ西海岸側沿いに位置し、北はワシントン州・南はカリフォルニア州に隣接しており、ほぼ日本の本州と四国を合わせた面積に相当します。Storablesの事務所があるオレゴン州最大都市・ポートランドは、米国北西部第二の都市であり(人口約60万人)、常に“最も住んでみたい都市”の上位に選ばれ、自然と都市が調和した非常に美しい街です。町並みや道路はきれいに整備され、路面電車やバス等の交通機関も発達しています。近年では目覚ましい経済発展と昔からの自然が共存する州へと成長しています。コーヒー豆とビールが有名で、消費税がないのも魅力です。



■Storables(ストラブルズ)                                 



Storablesは、家やオフィス等を整理する為のオーガナイザー、ホーム製品を中心に取り扱う専門店です。主にクローゼット、ランドリー、キッチン、ベッドルーム、文房具収納用品を扱っています。(シアトルとポートランドに各2店舗・ 計4店舗を国内展開。) コンテイナーストア、ソリューションズをご存知の場合はそれをイメージしていただくと良いでしょう。今回店舗訪問をしたPeal District店の立地は、ダウンタウンの中でも特におしゃれで感度が高い場所で、周辺にはWhole Foods MarketWest elmSur la table等が集まるNW Couch Street沿いにあり、非常に良い雰囲気の中にありました。                                                 
  
-外観ディスプレー 
カラフルでデザイン性が高いオーガナイザーが人目をひき、キッチン・クローゼット収納アイテムがきれいに展示され、周辺店舗と調和しておしゃれな雰囲気をだしています。入店前のお客様に期待を与える良いディスプレーでした。

-店内
外観とはうって変わり、カラー商品が少なく非常にシンプルで売れすじ商品に的をしぼっていることを感じさせる商品構成でした。店内は非常に清潔に保たれており、棚の空きもほぼなく、商品陳列もしっかり行われていました。入口を入って左側にボックス型収納用品、右側にキッチン・オフィス系オーガナイザーが並んでいました

 


■ 商談
 - バイヤーは人目を引くカラフルな商材を探していた
 - 9月にポートランド郊外に新店舗開店予定との事。(Peal District店より車で約20
 
事前準備としてStorablesのウェブサイトより、商品・価格帯をチェック、以前の取引商材を確認し、先方が好みそうなアイテムを選びハンドキャリーしました。

「オーガナイザー製品の紹介」
売れ筋商品と新企画商材をご提案。他のアメリカ・ブランドにはない透明度やきれいな色目に対してバイヤーからの反応が良かったです。大きいサイズの商品に関してはiPadで写真を見せ、全カラーと共に紹介したのは効果的でした。Storablesがオーガナイザ-の専門店であり、カラー商材を探している事から、確実に一番合う商品はプラスティック製品でした。9月新規店舗開店にむけ受注を期待できそうです。


興味深い話しとしては、オレゴンはNYや日本と異なり、土地や家が広い為、小さいオーガナイザーよりも大きめのものが好まれやすいそうです
また、手作りでジャム等を作る事が流行している為、ビン製品の保存容器やピッチャーがよく売れるとの事です

バイヤーの中でのブランドイメージは非常に良い、現在店頭にある類似の中国製品との違いや、商品の持つ販売力を伝えていき、さらにMira社は常にアメリカ国内に在庫を保有している強みを繰り返し伝えていけば、シェアの拡大が可能と確信しました。

  
Bento Boxの紹介」

Storablesで販売されているランチボックスは、低価格的なものが多かった為、ラインの中でも価格の低めの新商品と売れ筋商品を紹介をしました。実際の店頭には、フランスブランドの弁当箱が$24で販売されていましたが、あまり売れ行きは思わしくないそうです。お弁当箱が売れやすい時期としては学校が開始される9月頃が多いので、Bento Boxの需要が高まるシーズンに向けて検討したいということでした。

    
「キッチン用品の紹介」

Mira社の扱うのキッチン用品を紹介すると、バイヤーはカラフルでユニークな商材であるピーラーに関心を示していました。重ね置きが出来るかわいらしいデザインと、3つの異なる皮の剥き方がある事が高評価してくれました。キッチンツールの取り扱いがまだ少なく、今後定期的なコンタクトにより、参入を狙いたいと思いま


全体の感想は、バイヤーの日本製品への信頼度、評価は大変高く、店のカテゴリーにも適しているため、今後の取引拡大の可能性を強く感じることができました。Container storeと雰囲気が似ていますが、商品構成ではデザイン性が少なく、非常にシンプルなものが多かった為、地方型のスタイルであると感じました。秋口の新規店舗オープンにMira社が扱う商品が増えることは大いに期待できそうです。



Maiko記

Sunday, August 10, 2014

店舗訪問レポート - マンハッタン, NY



Mira Design社営業フォローの為の「店舗訪問シリーズ」です。
日々の地道な営業活動の様子をご紹介します。





今回は、デモの記事でもご紹介しました、NYのGracious Home.(グラシャスホーム)
マンハッタンのUpper West と Upper East というセレブの多く住む高級住宅エリアにそれぞれ店舗を構え、NYでも影響力の強い、Home製品を幅広く扱う大型ホーム専門店です。ケビンコスナーさんも常連だそうです。。

現在キッチン製品を中心に、Mira Deign社クライアント 4ラインで取引があり、継続的かつ定期的なリオーダーも頂いています。この日は、販売状況の確認、新ブランドの提案を目的にバイヤーにアポをとり、イーストサイドのお店に行って参りました。

店内は平日というのに多くのお客で賑わっていました。商品は、きれいにディスプレイされており、 神経の細やかさか感じられます。


現在の取扱っていただいている商品については、高品質を求める消費者に大変好評で、仕入れスタート時から良い実績を出しているとバイヤーからお褒めのお言葉。時折、まとめて大量購入していくお客様もいるとのことで、うれしい限りです。

販売員の方にも話を聞くと、個人的にもMira Deign社の商品が好きでおススメしてくださっているようで、販売員のみなさん、商品の販促用動画を自分の携帯にとりこんで、お客様に説明してくださっていました。感動。。。
その商品は高価格帯のキッチン商品なのですが、このお店でよく売れている理由が、これで理解できました。
こちらからも、さらに商品のアピールポイントを説明させていただきました。

日本の製品は、価格が他国製品と比較すると割高な分、こういった商品の魅力や性能を、きちんと消費者に伝えてくれる販売員の力も大変重要です。




新たなブランドの提案に関しても、まずは小ロットからのテスト販売で、受注をいただきました。
売れ行きがよければ、また別の商品についても検討するという前向きな姿勢で。

商談の中で、一本 $40(約4000円!!)のドイツ製ハンガーを例に、バイヤーが悩みを打ち明けてくれました。ヨーロッパの企業との直接取引だと、送料の為価格が跳ね上がり、たとえ良い商品だとしても、結局は売れ残ってしまうとのこと。
日本の高品質で、信頼の高い商品をもっと取り扱いたいけれど、日本との直接取引ではなく、「アメリカ国内取引」ができるベンダーが少ない・・と嘆いていました。

確かに、毎週の追加注文に応えてコンスタントに納品をするためには、「アメリカ国内取引」が必須ですし、マーケットの近くに在庫を保管する「ウェアハウス機能」が必要です。

日本の優れた製品を、受注、流通・回収と、アメリカ国内で完結した取引ができるMira Deign社はバイヤーにとっても貴重な存在だと評価されて、当社の責任の重さをあらためて確認しました。同店は、新たな商品やラインの受け入れには大変積極的です。今後も良い商品をどんどん紹介し、こちらの売上だけでなく、店の評判の向上にも貢献し、信頼関係を構築していくことが重要と確信しました。

バイヤーだけでなく、小売店内のスタッフともしっかり交流できた実りの多い店舗訪問でした。


Lily 記 

Monday, August 4, 2014

初、パリでの展示会 - Part2

(展示会前日)

海外の展示会は華やかなイメージの反面、複数の現地業者が関わるため、注文したものがきちんとそろっているということは中々なく、スムーズに事が運びません。加えて、ブースの大きさ変更が急遽決まり、展示会三日前まで、現地エージェントが主催者とやり取りをしており、うまくその変更が反映されているか・・・という不安要素があったのです。
搬入当日、まずはオーダーした什器が揃っているか、ブース到着までドキドキです。

ラッキーなことに全ての什器は揃い、ブースもきちんと出来上がっていました。よかった。。。


そこから、
バイヤーが入りやすいブースの組み立て、見やすく、視覚的に興味をひくような商品配置
バイヤー対応をスムーズに行うための販促ツールのセット。。。翌日の展示会初日に備えます。





(展示会当日)
そして、いよいよ展示会当日を迎えました。

サッカーワールドカップが重なったこともあり、初日の入りは少なかったものの、ヨーロッパをはじめアジアやアメリカ、中東といった世界各地から訪れるバイヤーで賑わいを見せていました。

ヨーロッパの展示会、特にアパレル関連にみられる特徴ですが、日本人もかなり見受けられました。日本人は、ヨーロッパのデザイン性が高く、こだわりの強い商品を好む傾向にあるかと思います。感度の高いセレクトショップなどは、フランスやイタリアで新進気鋭のヨーロッパブランドを探していることが多いようです。



Who's Nextの名の通り、展示会全体として、非常にトレンディーでカラフルなブランドが多いなかで、弊社クライアントの長い歴史を持つ重厚な商品たちが少し異色でした。

しかし、さすが世界的にも評価が高いアパレルの展示会。地元の専門店だけでなく、有力小売店のバイヤー達はしっかりと展示会場に足を運んでおり、”良いもの”、”新しいもの”を探していました。バイヤーは真剣で、質問も鋭いものが多く、緊張感のみなぎる展示会です。

次々と、私たちのブースにもバイヤーが来てくれます。フランス語、英語で活発な商談が行われます。。。一瞬のスキもありません。ヨーロッパの「バイヤーの目」は良いものを見逃しません。さすがです。展示会スタート後の2時間後ようやくヨーロッパ市場「初の注文」が入りました。パリ郊外の感度の良さそうな専門店です。

その後、二日目、三日目と、順調に現地有力な小売店舗、さらには世界的に有名なフランスのデパート・バイヤーとも良い商談が出来、多くのバイヤーと出会い、 さらには実際の受注も、数多く頂くことができました。ヨーロッパバイヤーからの評価も非常に高く、継続したビジネスを構築できる取引先を多く作ることができ、初回として充分な結果を得ることができたのです。パリでの初出展は成功したと言えるでしょう。




(展示会結果の背景)

今回の結果の要因としては、「製品の市場性」、「日本製品への信頼の高さ」、「ヨーロッパ内での販売体制構築」の三点にまとめることができます。

製品の市場性・日本製品への信頼の高さ 」という面では、 Part1で述べた①自社製品の強みを知る、「マーケットの可能性を探る」という点における戦略が、ぴたりと当てはまった結果であると考えます。
今回出展したブランドの持つ、Made in Japan の高い品質、長い歴史、職人による手作り、といった特性が、長い歴史とクラフトマンシップをリスペクトするヨーロッパの人々の琴線に触れ、受け入れられたのです。

価格や性能といった利益重視の合理性を重要視するアメリカとは異なり、歴史と独自の文化や民族としてのプライドを持ったヨーロッパの市場は、有名ブランドであるということよりも、品質の良さや、その背景にあるヒストリーやクラフトマンシップといった背景を含め、総合的に商品を評価する傾向にあります。
どのような技巧が使われて生産されるかという、直接商品には現れない部分に非常に興味を持ちます。これは決してアメリカのバイヤーには見られない傾向で、市場の相違を強く感じた点です。


(現地販売体制の強み)

販売体制については、信頼できる現地エージェント(ABing Plus社)とともに展示会に臨みました。事前の情報収集等の調査段階から、販売・流通・回収・サポートといった、Mira社がアメリカで作り上げた実ビジネスの体制を現地にしっかりと整えたのです。
言語も含めて、現地でビジネスを進めることができるということは、バイヤーに大きな安心感と、現実味を与え、受注のハードルをぐんと下げました。
これは、ヨーロッパだけでなく、全ての市場において共通して言えることです。販売、流通、回収を含む、「現地販売体制無き展示会出展」は、良い結果を生み出しません。


(やはり、展示会は、うそをつかない)

「展示会は嘘をつかない」 この言葉の意味を強くかみしめた展示会になりました。
第一歩として、市場の可能性を十分に感じることができました。次はここで作ることができたビジネスの芽を大きく、確実に育てていくこと、つまりフォローアップが重要な鍵となります。


ちなみに、余談ですが今回の展示会出展をきっかけとして、世界的に大変有名なフランスの革製品老舗高級ブランドH社から、「製品に興味があるのでぜひ見せてほしい」というオファーを受けました。このような刺激的な機会を得られたことも、グローバルマーケットに挑み、世界の舞台に歩み出たことがきっかけなのは間違いありません。
「世界には、計り知れないほどの、あらゆる刺激やチャンスが待っている」・・・と強く感じました。


展示会では、決して「偶然」は無く、「奇跡」も起きません。ただ、マーケティングをしっかり行い、海外市場開拓戦略に基づいた「合理的な準備」を行えさえすれば、日本企業にも販路拡大の大きなチャンスがあります。

展示会はビジネスのチャンスを作る場であると同時に、マーケティング・ブランディングの場です。
今後、展示会で得たチャンスや情報を元に、Mira Design社のテーマ「世界に売る」を加速させていきます。日本製品をアメリカから世界市場に向けて。


Lily 記