Monday, August 4, 2014

初、パリでの展示会 - Part2

(展示会前日)

海外の展示会は華やかなイメージの反面、複数の現地業者が関わるため、注文したものがきちんとそろっているということは中々なく、スムーズに事が運びません。加えて、ブースの大きさ変更が急遽決まり、展示会三日前まで、現地エージェントが主催者とやり取りをしており、うまくその変更が反映されているか・・・という不安要素があったのです。
搬入当日、まずはオーダーした什器が揃っているか、ブース到着までドキドキです。

ラッキーなことに全ての什器は揃い、ブースもきちんと出来上がっていました。よかった。。。


そこから、
バイヤーが入りやすいブースの組み立て、見やすく、視覚的に興味をひくような商品配置
バイヤー対応をスムーズに行うための販促ツールのセット。。。翌日の展示会初日に備えます。





(展示会当日)
そして、いよいよ展示会当日を迎えました。

サッカーワールドカップが重なったこともあり、初日の入りは少なかったものの、ヨーロッパをはじめアジアやアメリカ、中東といった世界各地から訪れるバイヤーで賑わいを見せていました。

ヨーロッパの展示会、特にアパレル関連にみられる特徴ですが、日本人もかなり見受けられました。日本人は、ヨーロッパのデザイン性が高く、こだわりの強い商品を好む傾向にあるかと思います。感度の高いセレクトショップなどは、フランスやイタリアで新進気鋭のヨーロッパブランドを探していることが多いようです。



Who's Nextの名の通り、展示会全体として、非常にトレンディーでカラフルなブランドが多いなかで、弊社クライアントの長い歴史を持つ重厚な商品たちが少し異色でした。

しかし、さすが世界的にも評価が高いアパレルの展示会。地元の専門店だけでなく、有力小売店のバイヤー達はしっかりと展示会場に足を運んでおり、”良いもの”、”新しいもの”を探していました。バイヤーは真剣で、質問も鋭いものが多く、緊張感のみなぎる展示会です。

次々と、私たちのブースにもバイヤーが来てくれます。フランス語、英語で活発な商談が行われます。。。一瞬のスキもありません。ヨーロッパの「バイヤーの目」は良いものを見逃しません。さすがです。展示会スタート後の2時間後ようやくヨーロッパ市場「初の注文」が入りました。パリ郊外の感度の良さそうな専門店です。

その後、二日目、三日目と、順調に現地有力な小売店舗、さらには世界的に有名なフランスのデパート・バイヤーとも良い商談が出来、多くのバイヤーと出会い、 さらには実際の受注も、数多く頂くことができました。ヨーロッパバイヤーからの評価も非常に高く、継続したビジネスを構築できる取引先を多く作ることができ、初回として充分な結果を得ることができたのです。パリでの初出展は成功したと言えるでしょう。




(展示会結果の背景)

今回の結果の要因としては、「製品の市場性」、「日本製品への信頼の高さ」、「ヨーロッパ内での販売体制構築」の三点にまとめることができます。

製品の市場性・日本製品への信頼の高さ 」という面では、 Part1で述べた①自社製品の強みを知る、「マーケットの可能性を探る」という点における戦略が、ぴたりと当てはまった結果であると考えます。
今回出展したブランドの持つ、Made in Japan の高い品質、長い歴史、職人による手作り、といった特性が、長い歴史とクラフトマンシップをリスペクトするヨーロッパの人々の琴線に触れ、受け入れられたのです。

価格や性能といった利益重視の合理性を重要視するアメリカとは異なり、歴史と独自の文化や民族としてのプライドを持ったヨーロッパの市場は、有名ブランドであるということよりも、品質の良さや、その背景にあるヒストリーやクラフトマンシップといった背景を含め、総合的に商品を評価する傾向にあります。
どのような技巧が使われて生産されるかという、直接商品には現れない部分に非常に興味を持ちます。これは決してアメリカのバイヤーには見られない傾向で、市場の相違を強く感じた点です。


(現地販売体制の強み)

販売体制については、信頼できる現地エージェント(ABing Plus社)とともに展示会に臨みました。事前の情報収集等の調査段階から、販売・流通・回収・サポートといった、Mira社がアメリカで作り上げた実ビジネスの体制を現地にしっかりと整えたのです。
言語も含めて、現地でビジネスを進めることができるということは、バイヤーに大きな安心感と、現実味を与え、受注のハードルをぐんと下げました。
これは、ヨーロッパだけでなく、全ての市場において共通して言えることです。販売、流通、回収を含む、「現地販売体制無き展示会出展」は、良い結果を生み出しません。


(やはり、展示会は、うそをつかない)

「展示会は嘘をつかない」 この言葉の意味を強くかみしめた展示会になりました。
第一歩として、市場の可能性を十分に感じることができました。次はここで作ることができたビジネスの芽を大きく、確実に育てていくこと、つまりフォローアップが重要な鍵となります。


ちなみに、余談ですが今回の展示会出展をきっかけとして、世界的に大変有名なフランスの革製品老舗高級ブランドH社から、「製品に興味があるのでぜひ見せてほしい」というオファーを受けました。このような刺激的な機会を得られたことも、グローバルマーケットに挑み、世界の舞台に歩み出たことがきっかけなのは間違いありません。
「世界には、計り知れないほどの、あらゆる刺激やチャンスが待っている」・・・と強く感じました。


展示会では、決して「偶然」は無く、「奇跡」も起きません。ただ、マーケティングをしっかり行い、海外市場開拓戦略に基づいた「合理的な準備」を行えさえすれば、日本企業にも販路拡大の大きなチャンスがあります。

展示会はビジネスのチャンスを作る場であると同時に、マーケティング・ブランディングの場です。
今後、展示会で得たチャンスや情報を元に、Mira Design社のテーマ「世界に売る」を加速させていきます。日本製品をアメリカから世界市場に向けて。


Lily 記






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